農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
 
効果的な獣害対策のための農地管理および基盤条件の検証
武山 絵美九鬼 康彰
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2010 年 78 巻 3 号 p. 217-220,a1

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抄録

共同電気柵による獣害対策を実施する中山間地域水田農業集落を対象に,被害実態調査やセンサーカメラによる加害動物の行動調査等を実施した。その結果,柵外縁の遊休農地は後背の森林等と耕作水田をつなぐコリドーの役割を果たし,加害動物の柵付近への接近を容易にしてその効果を低下させることがわかった。また,「荒廃地→畦畔(電気柵)→耕作水田」という土地利用パターンは,柵手前におけるイノシシの掘り返しにより畦畔の崩壊を招きやすく,侵入防止効果が低いこともわかった。これに対し,自然堤防のような高さをもつ自然地形への柵の設置は,柵手前の足場条件を悪化させるほか,柵内部に作物までの開空間を生み出すことから,侵入防止効果を相乗的に高める可能性を指摘した。

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© 2010 公益社団法人 農業農村工学会
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