農業農村工学会誌
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野生動物による農業被害問題の解決に向けた里地での対策
弘重 穣中島 正裕千賀 裕太郎
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2010 年 78 巻 3 号 p. 221-224,a2

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抄録

野生動物による農業被害問題の解決に向けて,対策手法の研究が進んでおり,現在では手法をいかに実践していくかが課題となっている。里地での対策手法の要点は,野生動物に対して,①利用できる餌の量を里地から減らすことと(「餌付け防止」),②里地に近づくことへの警戒心を覚えさせること(「人慣れ防止」)が必要であるといわれる。そのためには地域全体で対策を進める必要があり,住民一人一人の「対策への動機付け」と「主体的な学習プロセス」を内包した形での対策手法の普及が地域全体で行われる必要がある。また,持続的かつ自立的な対策のためには,地域活性化につながるような取組みが求められ,また,地域社会システムの整備が求められる。

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© 2010 公益社団法人 農業農村工学会
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