農業農村工学会誌
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二ツ石ダムの設計上の特徴と試験湛水について
二田 力菅原 嘉博玉手 純子
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2010 年 78 巻 5 号 p. 411-414,a2

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抄録

二ツ石ダムは,国営かんがい排水事業「鳴瀬川地区」の水源施設として築造した中心遮水ゾーン型ロックフィルダムであり,大崎市ほか1市5町の水田9,736haへ用水の安定供給を行うものである。ダムの基礎地盤は,比較的変形性は大きいものの難透水性の凝灰岩類や強度は高いが被圧地下水を有する流紋岩層など複雑な地質構造を形成している。このため,この凝灰岩層を天然ブランケットとして活かして基礎処理費用を節減するとともに,近傍から得られる土石材料を有効活用してコア幅を厚くするなど安全性の向上とコスト縮減に努めた。本報では,この堤体および基礎処理設計上,まれな事例として紹介するとともに,地質的特徴を踏まえた試験湛水時の安全管理等について報告する。

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© 2010 公益社団法人 農業農村工学会
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