農業農村工学会誌
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ラオスにおける灌漑施設の管理移管政策
渡邉 和眞小谷 匡
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2011 年 79 巻 11 号 p. 831-834,a2

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抄録

ラオスでは1990年代中頃から本格的な灌漑開発がはじまり,アジア開発銀行やオランダの支援により,灌漑政策にかかる法制度の整備や組織強化などが進められるとともに,灌漑施設の農民への管理移管政策が導入されたが,維持管理に関する農民組織への技術指導などは十分に行われず,組織の管理運営能力も不十分であった。この結果ポンプ施設や幹線水路の維持管理に支障をきたし,折からの燃料費高騰などもあって,2002年以降灌漑栽培面積は減少に転じ,2005年には61,000haまで落ち込んだ。本報では,このような状況に関して移管制度や現場の実態について報告するとともに調査データを用いて分析し,ラオスにおける今後の灌漑開発の進め方について考察する。

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© 2011 公益社団法人 農業農村工学会
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