2011 年 79 巻 3 号 p. 185-189,a2
ホンジュラスにおいて日本政府の貧困農民支援(旧食料増産援助;通称,2KR)の見返り資金を活用して,現地NGOによって2005年から2年間にわたって実施された農村金融事業 (CRAC: Cajas Rurales de Ahorro y Credito) の事後評価を行った。その結果,CRACの対象地区では,CRAC開始から3年の間に,主として農業生産や食生活が向上し,住民の生活が改善され,貧困解消の効果が見られたことが明らかとなった。また,金融分野の専門性を有する人材育成や確保,生産の多様化と付加価値付けなどによる集落住民の収入の向上,集落組織の強化とリーダーの育成などが今後の事業展開における課題であることを述べる。