農業農村工学会誌
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農商工連携による地域支援型農業の内発的発展
粟生田 忠雄
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2011 年 79 巻 8 号 p. 603-606,a1

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抄録

埼玉県小川町の霜里農場では,1970年代から継続して有機農業に取り組んできた。生産・加工・流通に至る農業の6次産業化を進め,消費者と連携した地域づくりを実践している。この農場の経営は多彩である。堆きゅう肥を農地に還元する土づくり,畜産ふん尿の発酵で生じるメタンガスを利用したエネルギー自給,廃食用油を再利用した農機などの燃料自給,間伐材を利用したウッドボイラーの給湯と床暖房,種苗交換による種の持続性確保,地元の発酵産業との提携によるプレミア商品の開発,有機農産物を使ったレストランの経営,都市企業と連携する地域支援型農業CSAなどである。特に,CSAで大きな役割を担ったのは,農商工連携コーディネータである。本報では,霜里農場におけるエネルギーや物質循環による有機農業を基礎とした農商工連携による地域支援型農業の内発的発展の成果と課題を紹介する。

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© 2011 公益社団法人 農業農村工学会
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