夏の平均気温が観測史上最高となった2010年には,水稲の高温による被害が多くみられた。米の出荷量上位20県の営農者を対象に,同年に実施した高温対策目的の営農手法および収穫玄米の外観品質に関するアンケート調査を行った。畦畔除草,水の見回り,移植・収穫期の調整など,追加の費用負担が少なく,比較的取り組みやすいと考えられる営農手法を実施した営農者の外観品質が高くなった。また,出穂期以降の水管理では,水管理手法の違いによる差はほとんどなく,営農者の意図する水管理ができるだけの用水が十分に供給されている場合に外観品質が高くなり,用水の充足の程度が外観品質の良否に及ぼす影響は,営農手法の選択より大きいと考えられる。