タイ国東北部には地下100~200mにマハサラカム層と呼ばれる岩塩層があり,岩塩層から土壌表層に毛管上昇してきた塩類が集積した塩類土壌が広く分布している。本報では,タイ国コンケン県で発生している塩類集積についてその実態と修復保全対策について考察した。地下水の毛管上昇を遮断する対策法では,ジオテキスタイルを用いた室内実験を行い,その有効性を検討した。調査対象地は透水係数が低いため適度な礫の混入と灌水により,EC値を低下できることを示した。またアカシア植林地での土壌中のナトリウム濃度を実測することで,隣接裸地より低濃度であることを確認し,植林による対策の有効性を示した。