2012 年 80 巻 3 号 p. 185-188,a2
大崎地域国営農業水利事業(国営4事業地区の総称)では,一級河川江合川および鳴瀬川流域に展開する水田約2万haを受益地として,広域的な農業水利の再編を行ってきた。国・県営事業では用水系統を抜本的に再編し,老朽化した大小166カ所の取水施設を76カ所の取水施設に統廃合した。取水施設などの計画,設計に当たっては,既存施設の有効利用を基本にストックマネジメント的な手法により機能診断を実施し,総合的な評価のもとで新設(全面改修),部分改修を決定し,コスト縮減に努めた。本報では,これら取水施設の整備について,ゴム堰の技術的な工夫や課題対応,ならびに既設魚道の改修事例などについて紹介する。