東日本大震災は,マグニチュードが9.0という世界最大級のものであった。宮城県沖の地震は,30年以内にマグニチュード7.5~8.0級の発生確率が99%以上と予想されていたが,その規模の想定をはるかに超える地震に見舞われ,甚大な被害が発生した。そこで,東日本大震災による本県の被害の概要と著しい被害を受けた農地・農業用施設の被害状況について報告するとともに,沿岸部地域の農業生産の回復に向けて,農業生産基盤の農地・農業用施設の早期復旧のこれまでの取組みの一部を紹介する。また,農地・農業用施設に係る災害対応について,初期の被害調査から応急対策,災害廃棄物対策,復旧対策の体制,災害査定など約10カ月間の足跡を記述する。