東京電力福島第一原子力発電所の事故により放出・拡散した主にセシウム(Cs-134,Cs-137)を中心とする放射性物質の除染対策の本格的な実施には,多くの課題の解決が迫られている。農村工学研究所では,平成23年度科学技術戦略推進費「圃場・農業用施設等の放射性物質を低減する技術」の研究の一部を担当した。本報では,これまでに実施した調査研究の中から,農地を対象とした除染対策のための,特に,福島県内の現地水田圃場で実証試験を行った表層土壌の削取り工法による物理的除染技術の開発や除染効果を把握するモニタリング手法の適用について報告する。