東日本大震災で津波被害を被った海岸平野において,地下水の水質などを経時的に観測するとともに,電気探査を広範囲に実施することにより,利用可能な淡水の深層地下水の賦存状況を把握した。次に,調査ボーリングと揚水試験により,地下水の揚水可能量を調査し,宮城県亘理山元地区では下部帯水層(砂礫層)から1カ所当たり日量430m3,岩手県陸前高田地区では花崗岩類から1カ所当たり日量230m3の地下水が利用可能であることを確認した。調査結果の記録は,今後の地域の再生に役立つとともに,将来起こりうる津波災害の際の復興にも寄与できると考えられる。