農業農村工学会誌
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掛流し灌漑による高温障害対策時の用排兼用水路の水温形成
木村 匡臣飯田 俊彰光安 麻里恵久保 成隆
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2013 年 81 巻 4 号 p. 289-292,a2

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抄録

水稲の高温障害対策としての掛流し灌漑の実施のためには,十分な量の低温の用水の確保が条件となる。用排兼用水路では,上流側の水田で湛水されて昇温した排水を下流側の水田で反復利用しており,下流側の水田では比較的高温の用水を灌漑していると考えられるため,広域における効率的な高温障害対策水管理方法の策定の際には,このような水田-水路系での水温形成メカニズムの把握が重要な意義を持つ。本報では,用排兼用水路網を利用する手取川七ヶ用水地区を対象とし,観測結果を示すとともに水温の時間的,空間的変動の特性を紹介する。さらに,掛流し灌漑時期の水田排水の水路への還流が用水の水温上昇に与える影響について,数値シミュレーションを用いて考察する。

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© 2013 公益社団法人 農業農村工学会
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