農業農村工学会誌
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汚染されたため池底質からのCs溶出と湖水濃度の関係
濵田 康治吉永 育生久保田 富次郎白谷 栄作
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2013 年 81 巻 9 号 p. 713-716,a2

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抄録

福島県の農業用ため池底質の一部には,東京電力福島第一原子力発電所の事故由来と考えられる放射性Csが蓄積している。底質から水中への放射性Csの回帰は,下流側でのリスクを高める危険性があるため十分な注意が必要である。底泥から水中への放射性Csの回帰の要因の1つに溶出がある。本報では,約200kBq/kgと約15kBq/kgの放射性Csを蓄積していたため池の底泥を未攪乱で採取したコアサンプルを使用して,底質から水中への放射性Cs溶出量を定量化した。さらに,ため池の回転率と湖水の溶出に起因するCs濃度の上昇量の関係を整理した。回転率が高まることで溶出に起因する濃度上昇が抑えられる傾向にあった。

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© 2013 公益社団法人 農業農村工学会
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