リンゴ生産を主体とする青森県の中山間地域において,耕作放棄となっているリンゴ園の圃場特性を耕作地と対比し,リンゴ園所有農家の後継者の有無,将来の耕作意向との関係を絡めながらリンゴ園の耕作放棄発生要因を明らかにした。その結果,勾配が急な圃場,通作に不便な圃場ほど耕作放棄されている傾向にあった。そして,リンゴ園の将来の耕作意向をみたところ,圃場条件よりも後継者の有無に左右される傾向が示唆されたことから,中山間地域の樹園地についても圃場条件の改善とともに担い手の確保を図ることが重要であることがわかった。