本報では,ガーナ国アシャンテ州で行った調査結果をもとに,現地で行われている灌漑稲作の状況から,耕うん機の稼働率の向上を目的に,その用途を多様化する上での課題について検討した。その結果,耕うん機の用途の多様化には,バーチカルポンプや脱穀機,トレーラ,アタッチメントの活用が有望なことが分かった。そして,これらの技術普及の課題として,耕うん機以外の機材を購入するための補助金制度や支援制度の改善,水田への機材の搬入・搬出のための農道やバーチカルポンプを利用するための共同取水場の整備,わが国で使われなくなった技術を支援するための南南協力の推進などが必要なことが分かった。