2014 年 82 巻 10 号 p. 801-804,a1
本報では,東日本大震災に先行する2004年新潟県中越地震のコミュニティ再編事例を現地調査に基づき紹介する。河道閉塞で水没した集落では,帰村後,行事を通して外部者と交流し,連携して集落運営を行っている。行事実施や施設整備の費用負担について,集落会計をもとに分析した結果,集落行事は集落が,交流行事は外部者も含む参加者が負担することを基本としながらも,外部者の参加増加に伴って集落行事でも外部者も負担するようになってきている。また,住民に新たな費用負担を課さずに交流施設と生活環境施設の整備を実現していた。区長は今後の展開として,外部者を集落自治組織の役職に就けたいと構想している。