2014 年 82 巻 12 号 p. 963-966,a1
鋼矢板水路は,農村部の低平排水不良地域に広く普及している。近年,長期供用されたこれらの鋼矢板は,鋼材腐食に伴う構造安定性の低下が顕在化している。このため,鋼矢板の長期耐久性と鋼材腐食との関係が技術的課題として議論されている。鋼矢板水路の維持管理を行う上で,既存施設の腐食実態を正確に把握し,長寿命化によりライフサイクルコストを低減するストックマネジメントを踏まえた保護対策が求められている。本報では,新潟県内における鋼矢板水路の腐食実態を調査した結果を概観するとともに,鋼矢板水路の保護対策事例をもとに,その適用性や課題について検討した結果を報告する。