北海道におけるホタテ貝殻の暗渠疎水材としての利用状況について述べたほか,ホタテ貝殻を疎水材として用いた暗渠の施工11年目における機能状況およびホタテ貝殻疎水材の性状変化について調査した結果について紹介した。ホタテ貝殻を疎水材に使用した暗渠の排水機能は施工後11年経過しても維持されていた。また,疎水材としてのホタテ貝殻は,載荷強度の変化を見る限り,経年劣化を示す現象は認められず,施工後11年目においても十分に耐久性を有していると考えられた。ただし,ホタテ貝殻成分のカルシウム分の溶出の兆候がうかがわれることから,今後も経過観測が必要と考えられた。