農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
中越地震後の大規模養鯉業者の山間部における展開
坂田 寧代與那覇 龍二
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 83 巻 11 号 p. 943-946,a2

詳細
抄録

2004年新潟県中越地震では山間部の長期停電が親鯉の大量へい死につながったため,一部の大規模経営層は越冬用水槽などの施設や住宅を平野部に移転させた。こうした大規模経営層の中からは企業的経営体が出現している。一方で,山間部に残った大規模経営層は山間部の養鯉池を中心に生産を続けている。本研究では,山間部にとどまった大規模経営層が山間部に養鯉池を展開する意義とそのために行っている取組みを明らかにすることを目的として,2014年4~12月に小千谷市東山地区を対象として聞取りと現地踏査を行った。その結果,山間部の養鯉池,とりわけ天水池で大型の錦鯉を飼って良いものに育て上げることに価値を見いだし,天水池を山頂部に展開するに当たっては安全性にも配慮していることがわかった。

著者関連情報
© 2015 公益社団法人 農業農村工学会
前の記事
feedback
Top