農業農村工学会誌
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中小河川の多自然川づくりと排水路における生物生息場創出
向井 章恵堀野 治彦樽屋 啓之中桐 貴生
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2015 年 83 巻 3 号 p. 183-186,a1

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抄録

中小河川では「多自然川づくりポイントブックⅢ」が発行され,多自然川づくりへの展開が図られている。中小河川と排水路は,断面が狭くて深く,流路が拘束されているという類似した特性を持つ。そこで,排水路における生物生息場の創出について,その要件をポイントブックの技術的知見を援用して検討した結果,中小河川は護岸を立てて河床幅を拡幅することで,川らしさを作る土砂移動を生じさせられるが,排水路は護岸がすでに直立しているため水路幅を拡幅できず,川らしさをつくる以上の激しい土砂移動が生じて水路床の侵食が進む。そこで,水路床の侵食を防ぎながら適度な土砂移動を促す水制について,排水路のセグメントに応じて形状を変えた上で,その効果を実験的に明らかにした。

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© 2015 公益社団法人 農業農村工学会
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