現在,福島県飯舘村では土壌中に存在する放射性物質の除染が行われている。しかし,除染完了後に山林から放射性物質が付着した枯葉などの飛翔による再汚染が懸念されている。本報ではここに着目し,飯舘村小宮地区と草野地区の農地除染対策実証試験圃場を対象に,「表土剥取り工法」によって除染された農地の2年間の経過について検証した。その結果,除染後,両地区では枝葉の飛翔はなく,再汚染はみられなかった。反対に,除染後の空中放射線量は平均で4.8mSv/yearとなり,2年間で約48%が低下した。このことから,適切な除染方法とその後の再汚染がなければ,帰村可能な環境にまで,空中放射線量を低下させることができることが示唆された。