新潟県糸魚川地域の地すべり防止施設,なかでも鋼製集水井においては,施工後30年以上経過したものが多く,鋼材の腐食による機能低下が懸念されている。鋼製集水井本体における機能診断手法(調査方法,健全度判断基準など)の確立を目的に,老朽化が懸念される集水井を対象に2011年から詳細調査を実施してきた。その結果,ビデオカメラ,鋼材板厚,メッキ塗膜厚,鋼材抽出,塩分飛来量の各調査は,鋼材の腐食状況を把握するうえで有効な点検手法であることがわかった。また,ビデオカメラで取得した画像は,加工・データ化することで,客観的な資料として目視調査結果の定量分析に用いることが可能であり,これにより診断精度の向上も期待できるものと考える。