2016 年 84 巻 12 号 p. 1055-1058,a1
猿ヶ石川地区の農業水利施設は,国営猿ヶ石川土地改良事業(昭和28~38年度)ならびに国営猿ヶ石土地改良事業(昭和34~45年度)で造成された。この施設の老朽化による更新事業の必要が生じ,平成20年度から猿ヶ石川農業水利事業として,水路の補修・改修を実施している。また,事業実施中には東日本大震災を経験した。このため,東日本大震災を契機に水利施設の耐震設計について,厳密な照査・設計を実施することが必要となった。猿ヶ石川地区の耐震設計などを考慮した重要構造物は,猿ヶ石川サイホン,立沢水路橋,百ノ沢調整池,JR釜石線横断水管橋,谷内幹線用水路1号水管橋であり,それぞれの施設設計について報告する。