平成13年の土地改良法改正後,水土里ネットふくいは,農村生態系保全を目的とした業務を遂行してきた。合意形成に至る流れは確立しつつあるが,受益者の農村生態系保全に対する意識醸成を図る取組みや,事業実施後のモニタリングが不十分であることが一因で,現場には「環境との調和に配慮」できていない事例が散見される。そこで,環境配慮工法導入に取り組む技術者の間に漂う閉塞感を打破するために,①事業内容に合わせた検討会の規模や役割の再考,②ソフト技術を有する農業土木技術者の育成,③多面的機能支払交付金を利用したモニタリングの可能性,④農村生態系保全に主眼を置いた既存制度の改善,をそれぞれ提案した。