栃木県では,これまでに整備した生態系に配慮した施設の効果検証を行うため,平成23年度に「生き物を育む農村空間形成事業」を創設し,5年間にわたってモニタリング調査や施設の機能評価を実施してきた。平成27年度にはそれまでの成果を踏まえ,栃木県独自の「農業農村整備事業における生態系配慮の手引き」を作成した。今後,農業農村整備事業や地域で行う身近な環境保全活動などにおいても手引きが活用され,より効果的な取組みが広がることによって,本県の豊かな農村環境を維持・保全していきたいと考えている。本報では,事業の取組み内容や施設の評価結果,手引きの内容などについて紹介する。