東日本大震災に対し,災害対策基本法の指定公共機関である農研機構農村工学研究所は,発災直後に「災害対策支援本部」を立ち上げ,災害派遣によって二次災害防止と迅速復旧に向けた技術支援を開始した。本報では,大震災から5年間,農業農村工学分野の研究機関として農村工学研究所が被災地に寄り添った技術支援活動を通じて担ってきた役割や震災復興と防災・減災に関する具体的取組みを紹介するとともに,支援内容の多様化と段階的な拡大を前提とした技術支援の基本的な考え方,防災基本計画の基本理念に基づいた個々の活動の位置づけなどを概観する。