東北管内では津波で被災した農地の復旧とともに効率的な営農を目指して,農地の集積や大区画圃場整備工事が行われている。そして,新たな経営体の誕生と6次産業化の動きも見られる。また,主要な排水機場や農地海岸堤防ではほとんどの地区において復旧に着手している。中にはすでに復旧工事が完了し,供用を開始した施設もある。このように,被災地では徐々に「復旧から復興」へと着実に進んでいる。その一方で福島県の避難区域では農地・農業用施設の復旧も緒に就いたばかりの状態である。本報では,発災直後から現在に至るまでの主な取組みを振り返るとともに,復旧・復興に当たっての工夫,今後に備えた取組み,放射性物質への対応について紹介する。