農業農村工学会誌
Online ISSN : 1884-7196
Print ISSN : 1882-2770
低層リモートセンシングによる圃場の土壌情報モニタリング
丹羽 勝久横堀 潤米山 晶品川 浩一
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 84 巻 9 号 p. 749-752,a1

詳細
抄録

UAVなどの低層リモートセンシングは撮影に雲量の影響を受けず,圃場単位などの狭域の画像撮影に有効である。その実利用例として,空撮用無人ヘリコプタに搭載した光学センサを利用した可変施肥システムが挙げられる。具体的には光学センサ画像で圃場の窒素肥沃度をモニタリングし,その結果に基づいて可変施肥計画を立案する。本システムに対応する施肥機を利用し,テンサイに対する可変施肥試験を3圃場で行った結果,農家慣行区に比べ,可変施肥区で窒素施肥量の平均25%の減肥と糖量の平均9%増収を達成した。そのほか,低層リモートセンシングは降雨直後や降雨2日目などの限られた条件の画像取得が可能であり,それらの画像から,それぞれ浅礫区域や圃場排水の不均一性を把握することが可能であった。

著者関連情報
© 2016 公益社団法人 農業農村工学会
次の記事
feedback
Top