農業農村工学会誌
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東南アジア諸国における農家参加型水管理の現状と技術協力の方向
齋藤 晴美南部 明弘渡邊 史郎林 亨
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2017 年 85 巻 2 号 p. 131-136,a2

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抄録

持続的な水管理組織を確立するための要因として,世界銀行,アジア開発銀行や研究機関は,①組織の成立要件,②組合員資格の明確化,③良きリーダーの存在などを挙げている。しかしながら,試行錯誤しながら水利組合の規約を作成しているが,自国なり各水利組合の主観的な評価はともかく一般的には水管理組織の運営がうまくいっていない。そこで角田亜細亜大学教授が唱えるオストロムの共有資源管理の理論とフリーマンの灌漑用水割当て制度の理論を組み合わせて,水管理組織を客観的に評価する手法を用い調査を行った。具体的には,この2つの理論を組み合わせて水利組合の指標と機能診断に活用し,水管理組織の設立要因を分析した。それを踏まえ,水利施設の状況評価とPIMへの技術協力の方向性について取りまとめた。

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© 2017 公益社団法人 農業農村工学会
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