2017 年 85 巻 6 号 p. 551-554,a2
筆者らは,産学官民連携により,日常管理の効率化や管理情報の継承を目的とする水利施設管理台帳システムの開発を進めている。この技術開発は,末端実需者の要望や悩みを学であり官である研究者が受け,民間の参画を得て実証試験における試行錯誤を繰り返しながら身の丈に合ったツールを生み出すという手順で進められている。社会に実装され実際の課題解決に役立つ技術開発を行うためには,このような実需者との対話は不可欠なものであると考えられる。このような産学官民連携の取組みには,現場フィールドワークから技術開発を想起する研究者などの経験蓄積や実需者との信頼関係構築,そして民間の参画を可能とするプロジェクトの存在が重要である。