農業農村工学会誌
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農地集約の違いが水管理の移動距離と時間に及ぼす影響
坂田 賢野坂 浩司建石 邦夫加藤 仁
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2017 年 85 巻 6 号 p. 555-558,a2

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抄録

本報は農業農村整備後の農業水利施設や圃場の持つ機能を最大限発揮させることを目的に,事業者が省力化技術の開発,行政が協力経営体と適地の選定・調整,研究機関が効果測定をそれぞれ担い,産学官とユーザーである耕作者が連携して取り組んだ実証試験で得た成果の一部である。具体的には,簡易型GPS記録装置を用いて耕作者の行動軌跡を記録することによって,農地集約による水管理の相違を明らかにした。その結果,集約化が進んでいない法人では集落間の移動が長距離かつ移動時間の大部分を占めることが示された。また,水管理が行われた圃場面積当たりで比較すると,集約化が進展している法人の方が水管理作業の労働生産性が高い結果となった。

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© 2017 公益社団法人 農業農村工学会
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