農林水産分野では,生産現場で広く活用される研究開発の成果が求められており,農林水産研究基本計画においても研究開発を生産現場に近づける必要性が強調されている。自主技術の開発や国際機関での活動に積極的なインド共和国のパンジャブ州では,パンジャブ農業大学を中心に「専門的・総合的評価」と「生産現場からのフィードバック」を繰り返す研究開発と速やかな情報共有および的確な課題抽出を行う普及体制が構築されており,インド農業の発展に大きく貢献している。本報では,2013年に実施したインド共和国での調査をもとに,パンジャブ農業大学が実践している生産現場に近い研究開発と普及体制について紹介する。