本報では,農業用管水路の漏水検知に関する研究として,卒業論文と修士論文の内容について紹介する。卒業論文では,近年開発が進んでいる管内漏水探査ロボットが漏水現象を解明し,その特性を踏まえたものではないという現状を踏まえて,漏水部周辺での流体構造の変化特性をPIVという可視化技術を用いて解明した。修士論文では,既知である分岐管内の圧力波の伝播特性を応用し,水撃作用による管内の圧力波形を観測することで,漏水位置を推定する方法を解明し,その方法の有効性について漏水を模擬した実験管水路を用いて検証を行った。最後に,卒業論文および修士論文の結果を踏まえて,今後の漏水検知の展望と自身の研究活動のプランについて述べる。