2018 年 86 巻 5 号 p. 399-402,a2
近年,捕獲事業の担い手である狩猟者は減少と高齢化が進んでいる。新規免許取得者を増やしその定着と技術向上を図ることが必要だが,実際に狩猟を行うためには知識や猟場を共有してくれるベテランや悩み事を相談できる狩猟仲間が必要である。本報では人間関係の構築など狩猟免許取得後の支援制度にはどのようなものがあるのかを明らかにした。その結果,大半の地域では技術向上を目的とした制度のみで人間関係の構築まで視野にいれた制度は少ないが,新規免許取得者と同じ地域のベテランとの交流によりペーパー狩猟者となることを防ぐような制度が導入されていた例があった。制度導入には,行政自らが協力を得られるベテランハンターを探し,新規免許取得者へ仲介する役割を担うことが必要となる。