明治時代に訪日した米国の農学者キングは,整備された水田写真を掲載した著書の中で,明治38年以降に日本政府が大日本農会や東京帝国大学農科大学などに有能な専門家を配置し,耕地整理の計画と管理に関する講習を行わせた結果,今ではこの業務を着実に履行できる技術者が育成されていると述べ,上野英三郎を中心とした耕地整理講習の教育効果を称賛している。田区改正・耕地整理への変遷を経て確立された日本の圃場整備は,その規模の拡大や農道・用排水施設などの新たな技術発展を取り込みながら現制度へと継続されている。近年東南アジアで日本の協力により開始された圃場整備においても現地の実態と要請に適合した整備を推進すべきであろう。