自然災害後の避難生活や集団移転は災害以前のコミュニティや自治組織の再編の必要性を高めている。本報では,今後予想される自然災害後のコミュニティ創出・維持へ向けた長期的な計画や活動の一助となることを目的とし,新潟県小千谷市S集落で活動する震災を契機に設立された地域交流団体の事例調査を行った。S集落は2004年に発生した新潟県中越地震で甚大な被害を受け,世帯数が半減した。地域交流団体は設立から13年にわたりさまざまな活動を通じて,集落住民,元集落住民,外部支援者によるコミュニティを継続してきた。地域交流団体が長期的活動を継続する要因として,①外部支援者の長期にわたる関与,②開放型の交流施設の設置,③多岐に及ぶ柔軟な活動が挙げられた。