ハクビシンは農作物被害を引き起こす東南アジアなどに分布する外来種であり,ねぐらとして農具を保管する資材庫を好む。このことから,本研究では本種を効果的に捕獲できる資材庫の特徴と捕獲時期の解明を目的とした。岩手県盛岡市猪去地区を調査地として,13台の罠を使用して2016年6月から1年間捕獲を実施した。この結果,捕獲実績がある罠は,捕獲実績がない罠よりも有意に針葉樹林に近く,住宅地から遠いことが判明した。また,敷地内でネコやイヌを飼育している資材庫では捕獲されにくいことがわかった。捕獲を実施する場合は,これらの要素に着目することが重要である。また,捕獲時期は春先が最も効果的であることもわかった。このため,年度で区切られない被害対策計画の策定が重要であると言える。