担い手への農地集積・集約化が政策目標であることを背景として,中間農業地域において集約化が進んだ経営体の稲作実態の把握を試みた。方法は簡易型GNSS記録装置を耕作者の移動車両に装着し,畦畔管理,水管理などの管理作業を分析した。その結果,農業農村整備事業の実施によって十分に集約化が進むと,管理のための移動時間が削減できると考えられる。すなわち,水管理のように移動時間の割合が比較的大きい作業の省力化が期待できる。一方,畦畔管理のように圃場周辺に留まって行う作業は区画整備による作業軽減が期待できるが,集約化が進展した場合でも大幅な労力削減は期待できず,ほかの方法と合わせて検討する必要があると考えられる。