圃場水管理システムの実証試験における水管理ソフトウェアの使用実態について聞取り調査を行った。その結果,ソフトウェアを通じて意図した水管理がおおむね実現できたと利用者は感じており,ソフトウェアの有効性が示されたが,操作性や効率に対しては改善を望んでいた。利用者は水位設定の簡素化と見やすさの向上を求める一方,表示内容のニーズについては意見が分かれた。利用者により求める情報は異なり,細やかな水管理に適応させた機能の増設は,必ずしも利便性の向上につながるわけではないことが示された。さらに,利用者の使用状況は異なり,より高い操作性や効率のためには対象を絞ったソフトウェア開発が必要であることが明らかになった。