本報では,北海道の水田転換畑における灌漑排水技術として,ハイブリッド水路を用いた灌漑排水技術,ならびに暗渠管を清掃するための施設である集中管理孔を利用した,高収益作物への地下灌漑技術について紹介する。さらに,土壌物理性の不良な圃場が多い転換畑に対して灌漑排水技術を効果的に発揮するために,農家が実施できる新たな排水改良機であるカット・シリーズを用いた土壌物理性の改良事例について述べる。これらの技術は,地下水位制御施設の有無や土壌物理性の状態など,圃場条件に応じた灌漑排水技術のラインアップとして整理でき,本技術を用いて農家が自ら作物の収量や品質の向上を目指した取組みを実践することができる。