日本の農業は,今後も高齢農業者のリタイアが増加すると見込まれることから,荒廃農地や後継者のいない農家の農地において,担い手による有効活用を図るとともに,将来におけるわが国の農業を支える人材となる青年層の新規就農者を確保し,定着を促進させることが喫緊の課題となっている。本報では,長野県長野市のリンゴ園へ新規自営で就農し,リンゴ有機JAS認証を目指す販売農家と,伊那市のリンゴ園へ新規自営で就農し,リンゴ有機JAS認証を取得した販売農家への聞取り調査に,リンゴ園土壌の分析結果を併せて,新規就農者の現状と課題について紹介する。