本報では,同一補修工法で施工された計73現場の無機系被覆工法・ひび割れ充填工法の追跡調査結果を整理し,施工やメンテナンスにおいて留意すべき課題をまとめた。追跡調査の結果から,無機系被覆工法では,全体的に被覆材のひび割れ,浮き,摩耗等の変状は少なく,良好な状態であるケースが多いことが確認された。一方,ひび割れ充填工法においては,補修後の時間経過に伴いシーリング材の劣化が頻発することが確認された。また,経年劣化により弾性が低下したシーリング材近接部では,被覆材のひび割れや浮き等の変状が生じるケースが多いことがわかった。