寒冷地のコンクリート開水路の凍害劣化は,耐久性を支配する重要な問題であるため,劣化要因である水分の侵入抑制を期待できる表面保護工法の適用が進められている。本報では,表面保護工法適用後の補修効果の検証を行うため,供用中のコンクリート開水路を対象に,既設および新設コンクリートに表面保護工法が施工された側壁からコアを採取し,凍結融解試験と含水率測定を実施した。この結果に基づき,表面保護工法適用に際して,①表面保護工法適用後のコンクリートの凍結融解試験の実施,②耐凍害性の要求性能への凍結融解試験後の遮水性および付着性の規定,③モニタリング調査における母材コンクリートの含水状態の把握,の3点を提案した。