地球規模での気候変動を受け,温室効果ガス(GHG)の排出削減が世界的な課題となっている。筆者らは,ベトナムでの研究から,間断灌漑が水田から排出されるGHGの一つであるメタンの削減に有効であることを確認したほか,反収の増加とポンプ経費の削減も合わせて確認し,これらを政策提言にとりまとめ,ベトナム・アンジャン省政府に提出した。その後,同省における間断灌漑は60%程度まで普及率を伸ばした。さらなる普及に向けては,水管理労務削減のためのICTの活用,用排水路整備・圃場整備などの基盤整備,近隣諸国への波及などを考えていく必要がある。