農業農村工学会誌
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農業農村整備事業における環境DNA調査とその分析技術の適用
樺元 淳一西島 太加志白子 智康中村 匡聡
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2021 年 89 巻 11 号 p. 867-870,a2

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抄録

農業農村整備事業における生物モニタリングの効率化を目的に,水中に生息する生物から放出された細胞片に由来するDNAを回収して生物相を調べる「環境DNA分析技術」を用いたモニタリング手法を,農業用用排水路における生態系配慮施設の生物モニタリングに適用した。その結果,環境DNA調査では,同一地点で行われた採捕調査により確認された種の70~100%をカバーしており,採捕調査とほぼ同程度の精度があった。環境DNA調査は,地区全体の魚類相を網羅的に調べる手法として有効であり,生態系配慮施設の効果検証を行うための新しいモニタリング手法として,今後の活用が期待される。

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© 2021 公益社団法人 農業農村工学会
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