仙台平野沿岸部における復興関連農地整備事業において,平成25年度に作成されたビジョンが事業の進展に伴い,どの程度達成されたかを評価するため,名取市,岩沼市,亘理町および山元町の事業実施地区を対象に,担い手への意向調査等を行った。その結果,仙台平野沿岸部では,震災後の復興事業により,農地の大区画化と大規模経営体の育成および担い手への農地の利用集積が進展し,経営状況が改善したことにより担い手からは一定の評価を得たと言える。一方で地域コミュニティの状況は,「震災前の水準に回復」以上と「震災前の水準には回復していない」以下の状態が半々であり,地域によりコミュニティの回復に差があることが明らかとなった。