博士課程に進学する学生の減少抑制は各大学にとって喫緊の課題となっている。修士課程,さらに博士課程への進学率低下の要因としては,将来の就職ポストの不安,財政的問題等が注目されているが,そのような外的な要因に加え,進学という選択の心理的ハードルが大きいのではないかと感じている。筆者らは,上記の問題意識から,博士課程の学生を招へいし,ゼミでの発表や質疑を通じた交流を持つことで,学部生・修士学生の進学意欲向上を図っている。本報では,これまでの取組みについて紹介するとともに,招へいする側・される側それぞれの視点から期待される効果を考察する。