農業土木学会誌
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魚道の規模, 流量, 遡上魚, 管理の状態
わが国における頭首工魚道の現状 (II)
篠邉 三郎
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1990 年 58 巻 2 号 p. 153-158,a1

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抄録

前報に続く魚道調査のうち, 規模 (長さ, プール長さ, プール間落差, 流量), 遡上魚, 管理についてまとめたものである。魚道の長さは25m以下のものが95%もあり長大なものの割合いは大へん少ない。
プールの長さは流況に影響を与えるが, 1プールの長さは2m以下のものが多い。魚の遡上に影響の大きいプール間落差は50cm以下が71%を占めている。魚道の流量は小水量の割合が高く, ことに渇水期流量は大へん少なく, 0.5m3/s以下のものが41%を占めている。遡上魚ではアユを対象とするものが77%, ウナギは38%ある。管理上で最も問題となる魚道下流の洗掘が27.5%に及んでおり, 魚の遡上に大きな影響があると考えられる。

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© 社団法人 農業農村工学会
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