改修を終えた農業用排水路の多くは, コンクリート3面張りで, 流速が大きく, 水深が浅いため, 流れが単純で魚類の生息に望ましくない環境となる。そこで, 農業用排水路の通水阻害面積が小さく, 低コストで, 魚類の生息環境を改善する「魚道付き転倒堰」を開発した。降雨等により水位が上がると水圧で扉体が転倒するもので, 水位が下がると自重 (おもり) により復元する。排水路内にはドジョウやタモロコの個体数が増加し, メダカとオイカワも新たに生息するようになった。ここでは愛知県長久手町地内の排水路で行った現地実証試験の結果について紹介する。